「感動を求めて」
 疾病や事故などで障害を持った患者さんが、その人らしい生活を維持するために様々な支援を行います。
 身体に対しては運動や作業活動をとおして障害のある部位の改善を図るばかりではなく、残存能力の活用を促しています。
 また、その人の障害に最も適した補助具を選択したり機器の工夫・改造を行い、残存能力の活用を促しています。
 そういった関わりの中で、障害が改善してきた時、こころの悩みを理解し合えた時、目標が見つかった時に患者さんとの間で互いに感動を体験することがあります。
 この感動が患者さんや私達にとって次の努力の源になります。
 また、作業活動や補助具に少し自分なりの発想(工夫)が加えられると感動がより大きなものになり、日々の業務が楽しくなります。

現在16年目
活躍分野 身体障害
「作業療法士に必要なもの 〜作業という観点から〜」
 精神科で作業療法に携わっています。症状の安定、療養生活の充実、新たな技能の学習といった目的のために日常的な作業を使って働きかけています。
 個々に応じたあらゆる作業を使うのですが、その作業への取り組みにその人の生き方が現われ、また作業療法士自身の生き方も映し出されてくるところがとても味わい深いところです。生き方というと大げさなようですが。
 日常的な些細なこと、たとえば、食器の洗い方ひとつをとっても、段取り、洗い方、洗剤の使い方、水の出し方、シンクの拭き方それぞれにその人のやり方があり、その人の人生が顔を出します。
 当然作業療法士が食器を洗っていても、彼の人生が反映され、無意識のレベルで患者さん達に安心感(この人は大丈夫)や不安(この人は頼りない)を与えています。
 注意深く見ていると、その人の作業に取り組む様子に「おや?」と思う不自然さがあり、病気による障害が見て取れることがあります。「ああ、この人は、この作業が苦手なのだな」「こういう段取りが難しいのだな」と。
 しかし、作業療法士の側にその作業に対する経験や勘がないと、作業を通した障害の把握ができません。
 また、よくできている部分を見逃し、さらに、こだわりや愛着を感じてその作業に取り組んでいる患者さんの気持ちを理解することができません。
 つまり、作業をその人の生活の中で捉えることができません。<
 特殊な作業について技能や知識を持っていなくてもよいのです。日常的な作業ができること、愛着を持ってそのような作業を見つめられることが大切だと思います。
現在18年目
活躍分野 精神障害
私が思う作業療法の面白さ
 例えば、ある人のある能力を伸ばそうとします。
 その為にはその人の能力を知る必要があります。
 その為、その人に2〜3の課題を与えます。
 しかし、それだけではまだ能力は把握しきれません。
 そこで、もう1つ別の側面から課題を与えます。
 こうして色々な課題を整理しながらその人にピッタリフィットする課題(作業)を探し当てるところに作業療法の面白さがある気がします。
 一種ギャンブル的発想でしょうか?
現在15年目
活躍分野 老年期障害
おもしろさは「作業の使いこなし」です。
 どんな職業でも何かを使いこなす技術が求められることが多いのではないでしょうか。それは道具であったり、機械であったり、知識であったり、体であったりするでしょう。
 作業療法では薬や手術ではなく作業を使って治療を行います。作業療法士の仕事のおもしろさは「作業の使いこなし」だと思います。
 私は、発達の遅れや身体に障害のあるお子さんに対して、日常、様々な作業活動を利用して作業療法を行っています。よく利用する活動として、音が出る玩具、キラキラ光るビー玉、絵柄のあるマグネットシート、太鼓、魚釣りなどがあります。
 いずれも遊びの要素も持ち合わせていますが、手を伸ばす、つまむ、離す、リズムに合わせて手を動かすといった手の発達を促す要素が含まれています。
 さらに、姿勢(座って行うか立って行うか)、机の高さ、左右どちらの手を使うか、道具を机のどの辺りに置くか、といった要素を加えていくと、活動の幅はさらに広がります。
 こうした馴染みのある遊びや作業活動を上手に利用することで、お子さんの意欲を引き出したり、障害のために限定されがちな遊びや活動を多様化しやすくなります。そして、食事や更衣動作の自立にもつながります。
 作業や活動を使いこなすことについて少しお分かりいただけたでしょうか?

現在15年目
活躍分野 発達障害
私自身がアクティビティ
【作業療法士になった動機】
 私が学生の頃はリハビリテーションなんてまだまだマイナーでした。
 私自身もこの職業を知ったのは進学を考え始めて「どうしよう」と迷っていた頃でした。
 でも、何となく大学に進んで、学部とあまり関係のない会社に就職するよりは、学んだことをそのまま社会で使えるような専門職に就きたいと思っていました。
 本などで調べるうちに、収入もそこそこありそうで、珍しい職業だから人とちょっと違うというおもしろさもあるかな?手芸も好きだし・・・と思うようになり、その程度の気持ちで入学しました。
【作業療法の面白さ】
 知り合いの誰かがリハビリを受けて感銘したとか、人に役に立ちたい、なんて立派?な動機ではなかったけれど、学ぶうちに「身の回りのこと全てが対象になる職業」ということが分かるようになりました。
 手芸や園芸、音楽、本、着物、身の回りにある日用生活品など、自分が興味のある事柄が「趣味」で終わらず、OTとしての視点で捉えたりアクティビティとして用いたりすることができるなんておもしろい!
 しかし、同時にその人の生き方に関わるという重要性に、身の引き締まる気持ちでもあります。
【日常苦労していること】
 OTになって11年たった今も勉強しないといけないのが大変です。
【日常気をつけていること】
 特に気をつけてはいませんが、アンテナを広く持つことは会話をする時に役立ちます。
 テレビ番組では「○る○る大辞典」とか「○○っきりテレビ」のような健康番組を皆さんよく見ておられますし、スポーツや時事問題も私より詳しい方がほとんどです。
 また、手芸店や書店では今流行の手芸が分かり治療を考える中で参考になります。薬局で最近の介護用品を見たりもします。
 職業柄なのか、道行く人の中で目にとまるのは可愛い赤ちゃんやかっこいい男の人ではなく年配の方々です。特にお元気に歩いたり何人かでお話されている姿を見るとうれしくなります。
現在12年目
活躍分野 訪問作業療法